最近は1日・1日経つのがものすごくはやく感じる。
思い返すと、村に来た当初はつらかったなー。というのも、生まれて初めて『いじめ』というものを受けた。そもそも『いじめ』られたことがなかったから、これは『いじめ』なのか?さえも初めわからなかったから、にぶい自分の神経に笑える。
それは大家さんから受けた。
そこは村で一番お金持ちな家で、ティーファクトリー・茶畑を所有していて、ここは村か?スリランカか?と思わせるようなほど大きく立派。
だから使用人もいっぱい。
茶摘みのおばちゃんたちもいっぱい。
家族というより、家の仕事をする人たちが出入りする家だった。
村で生活を始めて2ヶ月が経つ頃、体調を崩した。
自分が受けた原因はいろいろあったんだろうけど悪知恵を働かせる人たちがありもしない噂を流していて、私が信用されていなかったのだろう。
私のなにが足りなかったのだろう。
語学力か、伝える力か、お金か、キャラクターが好かれなかったのか、私のなにが足りなくて、こんな状況になってしまったのか悩みに悩んだけれど…大家さんに常にお金絡みの話をされていたから、それが1番の理由だったんだろう。
体調崩したときも、嘘ついてると思われてしまった。
食事も与えてもらえなかった。
キッチンも貸してもらえなかった。
病院にも連れて行ってもらえなかったから、やっとこさ自転車で診療所と商店に行って薬とビスケットを買って帰ってきた後も、いつまで病人ぶってんだのような眼差しを向けられた。
あいよー。
ここは日本ではない。
ここには日本人は私1人しかいない。
異国で生活する大変さを心身ともに痛感。なんとも弱すぎる自分の不甲斐なさを感じた。
もうここにいるのは限界だと感じて、家を出る決意をした。
けれどまた一難…この家は大きすぎるほど立派な家なため、わたしが出ていくのは都合が悪いらしい。
それは『恥』になるから。
家の名に『傷をつける』から。
だからわたしに、2年間ここに居続けないといけないと言ってきた。
だから家であった事実もすべて、オフィスの人たちには言うなとも言われていた。
ここは小さな村だから、瞬く間に噂は広がってしまう。それを恐れていた。
けれど私は、オフィスの長(村で一番えらい長)に全てを話し助けを求めた。
長は『どんなところだろうと、自分の好きじゃないところにいる必要はない。』『家の恥なんて関係ない。』と言ってくれた。
最後の最後には、炎天下でこんなに長い1時間を感じたことがないほど大家さんや使用人の人からの罵声を浴び…泣きそうだったけど耐え抜いた。
そしてそんな中、救いの手を差し伸べてくれたのはオフィスの同僚たちだった。
一人で採血に行けない自分に付き添ってくれた同僚、
4日間食事を取っていなかった自分に食事を作ってきてくれた同僚、
休日返上して新しい家を何件も探し回ってくれた同僚、
村からゴールタウンに出るまでオフィスの車で送ってくれた同僚、
感謝してもしきれないほど、面倒をみてくれた。
正直すごくつらかったけど、村に来たばっかりで迷惑かけたら申し訳ないと思って限界まで同僚には笑顔でごまかして…やっと家を出れた時、同僚の前で涙が止まらなくなってしまったけど、優しく受け止めてくれた。
けれど新しい家が決まって体調も回復して、村に帰ってきたときもまた一難。
悪知恵を働かせる人たちが、またもやありもしない噂をオフィスの人たちだけではなく村の人たちにまで流しまくっていた。
『部屋をめちゃくちゃにして出て行った。』
『酒の瓶や缶が部屋中に転がっていた。』
等々、スリランカ文化としてわたしの印象を悪くなるような噂を流されていた。
私は来たとき以上に部屋をきれいにして出て行ったし、村で酒を飲んだことがないどころか酒を売ってるところだって知らないのに、どこからそんな話が出てきたんだ。
でも面倒をみてくれている同僚たちは理解してくれていた。
それが嘘であることも、私を村にいずらくさせようとしてたくらんだ噂であることも、『信じちゃだめ、わたしたちも信じてないから。』となぐさめてくれた。
最近その事実が明らかになって…使用人として働いていた男の子が、私が出て行った直後に酒を持ち寄って部屋を荒らして私の仕業のようにされていたらしい。その彼は、家の宝石・貴金属も長期間にわたって隙を見て盗んでは、換金して女性にお金を払って近寄せたり賭け事をしたりバイクを買ったりしていた。今、彼は警察署の中。私も出て行かずその家にいたら、何かを盗られてたかもしれない。この事実はもう村中に話が広がっていて、聞きたくなくても聞いてしまうのだ。
なんとも言えない複雑な心境。
ある意味、こういった経験はしたいと思ってもできないことだったし悪いことがあったけど、良いこともあった。
それは新しい家族との出会い。
私は、アンマーのこの言葉に救われた。
『自分の家のようにいてね。』
この言葉を聴いたとき、泣きそうなくらい嬉しかった。
気張ってた自分の肩の力も抜けた。
この新しい家でホームステイを始めて2ヶ月が過ぎるが、本当に自分の家のように生活させてもらっている。
ここには、前のようにセキュリティーはない。
ここには、自分の家のように近所の人たちが出入りしている。
ここには、建築途中で窓もないところがあって虫や鳥が自由に出入りしている。
ここには、木々や茶畑に囲まれて動物たちの鳴き声が聴こえる。
ここには、家族に愛されている犬や猫もいる。
ここには、自由がある。
環境も、
家族の雰囲気も、
すごーくゆるい、いい感じ。
自分のお母さんのような気さくなアンマー、
自分の妹のようなかわいいサディーパ、
自分のお兄ちゃんのような会うだけで笑えるサミーラアイヤー、
自分のお姉ちゃんのような居候のアッカーたち、
みんな私のことを家族のように接してくれる。家族の愛に支えられている。
すごくあったかい。
すごく幸せ。
そして笑い声が絶えない家。
娘サディーパとアンマーと私
村の中で一番の癒しの場所、そして自分らしく笑顔でいられる場所^^
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