2013/10/25

තුවාල 創

忘れないうちに想ったことを書いておきたい、そんな気分。

たった今、アンマー(お母さん)と娘と一緒に弟を迎えに行って帰ってきたところ。

アンマーの友人の家で、弟が来るのを待っていた。
5畳程の広さにキッチン・ベッド・小さなソファーがあり、屋根裏が生活スペースになっているような家だった。

ベッドには、おばあちゃんが横になっていた。
患っているようだった。

話を聴くと、足をみせてくれた。
左下腿切断だった。

術後2ヶ月程度経過しているが、切断創部は一部治癒していない。
包帯は外来でのDr診察以外は交換していない。
創部から浸出液が浸み出しているため、清潔管理は十分とはいえない。

原因はDM(糖尿病)、スリランカでも外傷だけではなく内科疾患での切断が増加している。

術後安定してすぐ退院したため、リハは受けていない。
外来リハも訪問リハもない。
歩行器や杖もない。
もちろん車椅子もない。

日本とは異なることはわかってる。けれど、その現状を目の前にするとやっぱり衝撃的なもの。今、私はスリランカにいるんだって実感した。

おばあちゃんは1日中ベッドで横になり自宅療養をして、創部治癒を待つ。

自分で患部外のエクササイズをやってると、エクササイズの内容をみせてくれた。
Body Languageでカバーしながら自宅でできるケアとエクササイズを伝えた。
つたないシンハラ語を、うなずきながら真剣に聴いてくれた。

やさしい声、
やさしい表情、
やさしくあたたかい眼差し、
結局、わたしがおばあちゃんに癒されて終わってしまった感じだ。

おばあちゃんのおだやかな姿と、彼女の後ろに飾られているマザーテレサの写真が心に残った。

理学療法士の自分ができることは何だろう、そう考えさせるきっかけを与えてもらえた1日だった。

感じたこと、想ったこと、次に繋げていけるようにカタチに残していこう。

2013/10/24

ගම 村

話題が盛りだくさんすぎて、あふれそうなほど充実した日々。

これが『村(ガマගම)』なんだなって感じたこと。

ひとつ。

インターネットのリチャージカードを買いたくて、いつも行く家の近くの店(カデーකඩේ)に行ったら日曜日で休み。
他の近くの店も休み。

ちょっと歩いてみようと歩いていると、いつものように村の人に声をかけられた。

『どこ行くの?』
『どうしたの?』
「Dialogのリチャージカードを買いたいんだけど、どこで買える?」
『この道をまっすぐ行って、旗のある交差点を左に曲がって行った店にあるよ。』

そのまっすぐ進む道を歩いていると、
肉屋のおじさん、
遊んでいる子どもたち、
暇してる人たち、
たーっくさんの人たちに同じ質問をされる。そして同じように教えてくれる。

交差点まで来て曲がるべき左の道を見ると、一変。
スラムと小さい店が交ざり合っていて、リチャージカードなんて売ってそうな場所ではなかった。
道はゴミだらけだった。

本当にこの道で合ってるのか?

シンハラ語の理解力が足りなかったのか。
まちがえた道を教えられたのか。

その道の先には、売ってそうな店がない気がしてしまい道を引き返してしまった。
引き返しているときも同じように声をかけられた。

『カードは買えた?』
「買えなかった。」

はじめに声かけて教えてくれたおじさんにもそう伝えた。

『店は見つけられた?』
「見つけられなかった。」
『どうして?』
「左に曲がっても店がなさそうで、戻ってきちゃった。」
『どうして?店はあるよ。道がわからなかった?』
「道はわかったよ、あそこを左に曲がるんでしょ?」
『そうだよ、わかってるのにどうして行かないの?』

売ってそうな店がなさそうだったって正直に言えなかった。

「んー。また明日買いに行くよ。近くの店に売ってるから。」
『曲がったところの店に売ってるって。途中まで連れてってくれるからおいで。』

結局、途中まで連れてってもらう流れになった。
本当に途中までで、旗のある交差点から半信半疑でゴミだらけの左の道に曲がった。

明らかにさっきいた道と雰囲気が違い、なんでここを外国人が1人で歩いてるんだ?と言わんばかりに日本人のわたしが余計に目立つ。

左右の細い路地を見ると、スラムだった。
わたしを見に路地からわざわざ出てくる人もいた。

マッタックリヤはタミル系ムスリム・カトリックが多く、スラムで暮らす人々もとても多い。

パッと見ると危ない道に見えるけど、人の雰囲気はすごくよくて笑顔であいさつを交わした。

少し歩いていくと、本当にリチャージカードの店があった。
カードも買えた。

教えてくれた人たちの言ったことは本当だったんだ。

半信半疑でいた自分に反省。そして親切にしてくれた人たちに感謝。

店を出て、道を引き返しているとまたたくさんの人たちに声をかけられた。
はじめに声をかけられた人以上のたくさんの人たちに声をかけられた。

わたしがカードを探しているということが、道にいる人たちにあっという間に伝わってたんだ。

『カードは買えた?』
「買えたよ。ありがとう。」

そう言うたびに、みーんな嬉しそうにほほえんでくれた。
わたしもその顔をみて嬉しくなった。

はじめに声をかけてくれたおじさんも、心配してくれてわたしが戻ってくるのを待っていてくれた。

一瞬のように、わたしが何をしているのか道にいる人たちに伝えていることには本当に驚いた。

だけど自分のことのように心配してくれて、喜んでくれて、そして笑顔を共有してくれて、そんな人たちの優しさに触れることができた1日だった。

マッタックリヤ、この村がもっと好きになった。

2013/10/18

මට්ටක්කුලිය マッタックリヤ

ホームステイが始まり、あっという間に10日経ちました。

わたしのホストファミリーは、とってもすてきな父・母・娘・息子と犬1匹の家族(パウラපවුල)です。
パパ(ターッターතාත්තා)はシンハラ人、仕事のため日本在住で不在。
ママ(アンマーඅම්මා)はタミル人、インドドラマに夢中。
姉(アッカーඅක්කා)は19歳、お茶目でモノ作りが大好き。
弟(マッリーමල්ලී)は17歳、シャイだけど笑顔がかわいい。

家族みんなシンハラ語も、タミル語も、英語が話せます。
会話はシンハラ・英語。
テレビはタミル語。
食事はタミル料理が多いけど、たまにランカ料理・インド料理。
宗教はカトリック。

家のリビングには十字架、でもママは結婚してヒンドゥーからカトリックに改宗したため、寝室の奥にひっそりとヒンドゥーのお祈り部屋。

多民族・多宗教の家族です。

まずスリランカが多民族・多宗教国家。
民族は、シンハラ・タミル・ムスリムなど。
宗教は、仏教・ヒンドゥー・カトリック・イスラムなど。

スリランカでは、4年前までシンハラ対タミルの民族による内戦が約25年間行われていました。
シンハラ人が国民の半数以上、タミル人は南インドを中心に世界各地に点在。民族が分かれているため、同じスリランカ国民でも言語・宗教・文化は異なります。これは日本と異なることのひとつ。

ホストファミリーのパパ・ママは内戦中にドバイで出会って、その後スリランカに戻って恋愛結婚。
パパとママは10年以上遠距離だけど、よくスカイプ繋いで今もラブラブです❤

またタミルは、インド文化のカースト制が今も強く残っています。その中でムスリムやカトリックは、貧しい階級の人々とされていて生活状況だけではなく仕事内容にも格差。

私が今生活しているマッタックリヤは、タミル系ムスリム・カトリックの村(ガマගම)です。

町の中の至るところにカトリック教会、ムスリムの集会所があります。
スラムもあります。
野良犬はもちろん、野良牛もたくさんいます。
デング熱罹患が懸念されるシマダラ蚊もちらほら見かけます。

毎日蚊に刺されまくって、
ゴキちゃんには左腕をつたって歩いて行かれて、
洗濯干すところがココナッツの木の下でもれなくアリちゃんがついてきて、

日本とは環境ちがうんだなぁと感じることがありつつも、今のところすごく元気です。

マッタックリヤは、村の雰囲気も、人も、すごーくやさしい空気に包まれています。

主言語はタミル語、でも英語もシンハラ語も上手です。
歩いてると誰かしらに話しかけてくれるので、家やバス停など行きたいところへまっすぐ行けません。家にも誰かしらお客さんが来ているので、村の人や家族と話すことが毎日の楽しみです。

みーんな、笑顔がすてき^^

シンハラ・仏教徒が6割以上のスリランカ、それでもマッタックリヤのようにタミル系の村は北部中心に存在します。

民族によって、
宗教によって、
村によって、

生活文化いろいろ。

スリランカに来て、本当にあっという間な2週間…たくさんのすてきなコト・モノ・人に出会っています。

今回は写真がうまくアップロードできなかったので、次回以降すてきな出会いについて紹介して、はっぴぃをおすそわけしていきまーす^^

本日18日はポヤデー(スリランカでは満月の日が仏教の祝日)。

2013/10/06

පතන් ගත්තා はじまり

10月3日午後1時20分、出発。
わたしの大切な家族や友達に見送っていただきました^^

同日出発のエクアドル組^^
亀田メディカルセンター同期^^
おとうさん^^
おかあさん^^

感謝。
離れるさみしさより、応援してくれている気持ちのうれしさ。
 
最幸な旅立ちの日となりました。
 
 
一緒に旅立つ仲間は、25年度2次隊4人・短期ボランティア6人。
公用旅券を受け取り、青年海外協力隊ボランティアとして日本を出国しました。

 
 
スリランカ航空機内の様子。
機内では写真や手紙をみて、想い出にひたってました。
機内食はもちろんカレー、これから2年間カレー三昧です。


 
 
 
 現地時間は夜7時、スリランカ到着。
 
日本との時差は、-3時間30分。
フライト時間は、直行便で9時間30分。
 
スリランカは乾季・雨季があり、年間平均気温は約30℃という熱帯気候。
南アジアらしい蒸し暑さ…すごく好きな感じです。
 
はじめの約1ヶ月間は、研修のためコロンボで生活します。
 
インドと比べてしまうからか…道路は凸凹少ないし、町に野良の動物は少ないし、スーパーはたくさん。
想像以上に町や店がきれいでびっくりしました。
 
 
ちょこっとだけ、この数日間のコロンボ報告^^
 
 
スマイルがかわいいKEELLSと、FOOD CITYという大型スーパーがたくさん。
食料品や生活雑貨は、日本同様だいたい揃います。
 

 


 

このヨーグルトとマンゴーネクター美味しかったー!パッケージもかわいい^^
 

 

 
翌日からさっそくはじまったオリエンテーションの昼休み、JICAオフィス近くの店でテイクアウト。
ランチは、150Rs(ルピー)=約115円!ごはん少なめにしても食べきれないほど多く…辛いけど美味しくいただきました。
 




もちろん“手”で食す^^
 


 


日没前に近所探検。
暗くなると危険度アップするので、特に女性は1人で出歩いたらいけません。
 
ホステルは海のすぐ近くで、車の排気ガスのすき間から微かに潮の香り。
海沿いには列車が走っていて、100%以上の乗車率…さすがアジアな乗り方です。
 
 





 
 
タミル系ローカルレストランで夕ごはん。
お腹いっぱい食べて、スリランカらしい甘い甘いミルクティー飲んで、1人175Rsでした。






スリランカではバス・スリーウィールが移動手段。
…ということで、乗り方講座。

バスは乗降途中でも急発進とおかまいなし…危険性が高いため、先輩方から伝授。
土曜の昼間は空いているけど、ピークタイムはバスももちろん乗車率100%以上です。


町の様子。
駅周辺は人やバスなどごった返していて、ザ・アジアって感じでわくわくします^^



 
 地方行きのバスターミナル…バスがあふれまくってました。


 

任地へ行くためのバス停を探しました。
まずはゴールまで行き、ナーゴダ行きへ乗り換えなければいけません。

ゴールまで、片道約3時間。
バス賃は、275Rs。

 
スリーウィールの乗り方は、インドのリキシャ―同様に乗車前に値段交渉をします。

これは得意分野^^
 
最近コロンボではメーター付きスリーウィールが多くなってきているそうです。
 
 
 
スリランカ生活4日目、ぼちぼち濃厚な日々を送っています。
やっぱりアジアって好きです。
 
安全に、
健康に、
楽しく充実した生活が送れるように、
大事な御守りをはなさず2年間を過ごしていきます^^
 
 
 
明日からはホームステイがはじまります。
 


2013/10/01

ඉස්තුතියි ありがとう

අයුබෝවන්.(あーゆーぼーわん=シンハラ語でこんにちは。)

青年海外協力隊として10月3日よりスリランカに派遣されるため、活動報告を兼ねてブログを始めました。

わたしは社会福祉省CBRプロジェクトの一員として、南部の町Galle(ゴール)のNagoda(ナーゴダ)という小さな村で活動します。
この村についてネット検索しようとしてもgoogle mapでしかリンクせず。
しかもナーゴダという同じ地名がもう1つあり、そっちばっかりヒットして情報ほぼとれず。
さらに新規派遣ということで、JICAでも未開拓の地。

わくわく。
どきどき。

わくわく。の気持ちが大きいかな^^

スリランカはSri(光り輝く) Lanka(島)という意味を持つ、美しいインド洋に浮かぶ北海道0.8倍ほどの小さな島国。
そしてセレンディップの国。

昔、スリランカ(旧国名セレンディップ)に3人の王子がいました。
この王子たちは知恵と勇気・偶然のめぐりあわせで旅を続けて、本来探していなかった宝物をみつけるという物語があります。
この物語から『セレンディピティ』という言葉が生まれ、偶然をきっかけに幸運をつかみとる能力のことを意味しています。
この言葉を教えてくれたのは前職場の尊敬する上司でした。

わたしは今まで、
学校でも、
職場でも、
旅でも、
JICA駒ヶ根訓練所でも、
たくさんのすてきな出会いをしてきました。
自分を成長させてくれた出会い、そして繋がりに本当に感謝しています。

ありがとう。

これからスリランカでも日々セレンディピティのように、たくさんのヒトやモノとの出会いをきっかけとして自分のできることを気づき・築いて1歩ずつ歩んでいきたいと思います。

私が好きなマハトマ・ガンジーの言葉です。

『You should be the change that you wish to see in the world.』
(この世界の内に望む変化に、あなた自身がなってみなさい。)

世界ではなく小さな村のコミュニティでも、自分の目の前にいる人々が望む変化に、1人の人間として向き合っていけるような活動を行っていきたいです。

それではセレンディピティの国スリランカへ行ってきます^^



Start my journey to Sri Lanka.....❤