2014/05/21

රොක් සාර් 長

『රොක් සාර් ගිහිල්ලා. ロクサー ギヒッラー.』 (長は行ってしまった。)

と、長が不在になること4ヶ月半。

私の配属当初(2014年11月)から、活動面・生活面すべてサポートしてくれていた頼りになるお父さん的存在だった長とも、さみしくも2ヶ月でお別れになってしまった。

私は、村の群事務所いわゆる日本にある区役所のような政府事務所の社会福祉課に所属していて…その長が不在。

不在というのも、今年1月初旬に異動して以来、新しい長が来ないのだ。普通というのも疑問だけれど、普通では新しい後任者が決まっている前提で異動があるものではないのだろうか。
私の疑問が間違っているのか。

プライベートオフィスならなんとなく納得できるけど、ここはパブリックオフィスである。
Divisional Secretariat である。

Secretaryがいないって…ありえるようだ。

長がいなくなって変わったこと…part.1!
スリランカのパブリックスペースでは必ず勤務開始時に必ずあるアレ、『国歌斉唱』がオフィスデーの水曜日以外なくなっている。

長がいなくなって変わったこと…part.2!
長の前での職員の緊張感はハンパなかったのに…職場が以前に増して、ゆるい。

長がいなくなって変わったこと…part.3!
スリランカポップ的な音楽がオフィスに突然流れることが…職員の好みによって、ジャンルも流れる時間も自由気まま。

長がいなくなって変わったこと…part.4!
心なしか、気のせいか、オフィスデー(職員全員出勤日)の出勤者数が激減?朝いたはずの職員も、午後にはかくれんぼか姿を見せなくなる人も少なくない。

変わったこと、良いとも言い難い…しかし誰もなにもツッコまない。

というわけで、2nd・3rdの上司たちは大忙しなわけで、あくせく仕事をしている。
新しい長が来るまでの代理として、旧長がオフィスデーに月2・3回程度ヘルプに来てくれているが昼食を食べる暇もなく仕事をしている。
変わらず一生懸命な職員は、一生懸命仕事をしている。

1月初旬に異動して、1月に新しい長は来なかった。
2月には来るだろうと言った。
でも、来なかった。

3月に聞いてみたら、4月のシンハラ正月明けには来るだろうと言った。
正月明け、来なかった。

シンハラ正月明けに聞いてみたら、5月のウェサックポーヤ明けには来るだろうと言った。
ポーヤ明けの今、まだ来ていない。

来ないというよりも、新しい長が決まっていないらしい。

長いつ来るんだろうと聞いたら、『そのうち来るでしょう、マダム(2nd
Secretary)はいるし大丈夫』
関係ないけど、オフィスに唯一ある時計が1ヶ月以上前から止まったまま…今日まだ時計いつになったら直すだろうと聞いたら、『言われて気づいた』

困っていないことには急がない、慌てない、平穏な同僚たち。

新しい長はいつ来るんだろう。
いつ誰が時計の電池取り替えてくれるんだろう。

ここは不思議なことがいっぱい。

2014/05/07

සිප්පයි しっぱい

ケーキ作りに続き、正月明けにおすそわけのフルーツでジャム作りをしました。

村は、時期ごとにいろんなフルーツが実っています。

家に必ずあると言ってもいいほど、ココナッツ。
天然ポカリ的なキングココナッツ。
20種類ほどあると言われるバナナ。
ライチのようにジューシーなランブタン。
鈴なりになっているマンゴー。
思っていたより実が硬かったグアバ。
雑草のように葉が出ていると思っていたらパイナップル。
木が高くなりすぎて熟れると鳥たちに先取りされてしまうパパイヤ。
ストローハットのようなかわいい形をしたジャンブ。
現地の女性が美容に良いと言っているがよくわからないベリ。
子どもの手のひらサイズから顔サイズまで種類豊富なドダンなどのオレンジ。
苦いのか渋いのかなんとも言えなかったナンナン。
カレーの具にも使用されるジャックフルーツ。
シークワーサーのようなデヒ。
もうすぐマンゴスチン。
 
とにかくフルーツが豊富、日本では見ることができない種類がいっぱい。
 
家にあるものは、おすそわけ。
道端にあるものは、早いもの勝ち。
ありがたく、村でフルーツを購入したことがありません。
 
とにかく良いのは、『無農薬』であることです。
村での地産地消なフルーツには一切農薬を使っていません。
虫や動物たちもたくさんつまみ食い…『無農薬』だからこそ日本にいる時よりも安心して食べることができているような気がします。
 
 
と、話が脱線しましたが、ジャム挑戦秘話について。


初戦『ドダン』
 
夏みかんのように甘酸っぱく、皮も分厚いドダンで挑んでみました。
 
皮は小さく細切りし、水に浸しておく。
中身を取り出して、種を除く。
水に浸した皮を手で絞って、鍋に果汁も一緒に入れて皮がヒタヒタになるまで水を足して煮詰める。
さらに砂糖と一緒に煮詰めて、とろみがつくまでコトコト1時間…
見た目はいい感じなんだけど…(ブラウンシュガーを使用しているため、どうなっても茶色)
あれ…何かおかしい…イメージしている味と違う。 
 
無農薬だし、もったいないから全て入れて作ってみようー!という私の考えは甘く…考えとは裏腹にジャムは甘くならず、白いワタのおかげで苦くなりました。
通常は白いワタ部分は苦味成分が強く使用せず、外の皮のみを削るように切り取って実とともにジャムを作り、その皮も厚ければ一晩ほど水に浸して数回水を入れ替えておかなければいけないもの…かなりぶっ飛ばして作ってしまいました。
 
アンマーはびっくりしすぎて『苦いも苦い!めちゃくちゃ苦い!』と大爆笑。
ナンギ(妹)サディーパは一緒に作ったということもあり『苦くても食べれる!』と優しいなぐさめフォローをしつつも大爆笑。
わたしも笑いが止まらず、3人で大爆笑。
 
こんなに笑えるほど料理を失敗したのは、小学生の頃に初めてインスタントラーメンを作った以来の大失敗()
 
失敗した自分にも爆笑。
苦すぎるジャムにも爆笑。
 
2人に日本語で『失敗した!』って何て言うの?と聞かれて、『සිප්පයි සිත しっぱいした!』を教えたら、また爆笑しながら『සිප්පයි සිත しっぱいした!』を連呼してさらに大爆笑()
 
わたしは逃げるように、そのジャムを置いて遊びに行ってしまいました。
帰宅後、ジャムの姿が見当たらず…どこにあるのかアンマーに聞いてみると、
『සිප්පයි සිත වීසි කලා“しっぱいした”捨てた!』と笑いながら言われました。
 
『සිප්පයි සිත しっぱいした!』という言葉はしっかり覚えていたアンマー、しかも言うの気に入ってる。
 
結局、虫たちのエサになってしまいました。
食べ物の無駄遣いに反省。

と、反省しているのも束の間…ナンギにリベンジしようと、次はシークワーサーのような酸っぱくジューシーなデヒを用意されていました。
ちなみにこれ、おばあちゃんの家にある木からおすそわけしてきてもらったそうです。

2戦『デヒ』

◎レシピ◎
・デヒ 8個
・砂糖(今回ブラウンシュガー使用) ティーカップ2/3杯分
・水 適量
 
デヒは小さいため、ワタは手でこする程度に取り除いてから細切りし水に浸す。
実は絞り、種を取り除いて果汁のみを使用する。
水に浸した皮を手で絞り、水を入れ替えるという作業を3回繰り返して渋みを消す。
 鍋に皮と果汁を入れ、皮がちょうど浸るまでの量で水を足し、沸騰させる。
 
沸騰後、砂糖を入れて中火で煮詰める。
40分程、ゆっくりかき回しながら弱火で煮詰め続ける。
とろみが出てきたら火を止め、粗熱を取る。
今回は…うまく出来ましたー。


ナンギと勝利の笑み。
 
完成後、早々に味見!ビスケットにジャムをのせて、ついでにティータイム。
 
これは絶賛の評価を頂き、思わず…
ホッ。

第2戦は『සිප්පයි සිත しっぱいした!』はせずにすみました。2戦にて1勝1敗。
 
これだけ村にフルーツがあふれているんだし、コストをかけすぎずもっと美味しい食べ方もあるはず!これ、何か活動にも繋がらないかなーと…漠然としすぎているけど夢は広がります。
 
食の探求は続きます。

2014/05/06

පැණිරස 甘味

先月4月14日の満月(ポーヤデー)でスリランカは新年を迎えました。
今更ながら改めて、
あけましておめでとうございます。

スリランカのシンハラ正月は、時間ごとに行う儀式があります。
日本が御節や御雑煮を食べて正月を過ごすように甘いお菓子などをたくさん作ります。
そして、甘い甘ーいお菓子で親戚や友人を家に招きます。
(次回以降、シンハラ正月について紹介します。)

ホームステイ先の家では、昨年おじいちゃんが亡くなったため控えめな正月を過ごしましたが、人を迎えるためにほんの気持ちだけ年末に準備。
わたしもお手伝い。

これは甘くないけど、スリランカの伝統菓子『කොකිස් コキス』


揚げたてはサクサク美味しいー!保存方法はツッコミどころ満載なので、後々湿気てしまって油っぽくなってしまうのが悲しいところでもあり。
コキス作りは型がひとつ分しかなく、地道に作り続けるのももどかしいところでもあり。
手が込んで愛情がたっぷりということでもあり。


とにかく時間がかかるわけです。
夕方に作り始めて、気づいたら夜10時過ぎていました。

アンマーと作るの交替しつつポリポリつまみ食いしていたら、お腹もいっぱい。
アイヤー(兄)とナンギ(妹)はつまみ食いしつつ、わたしのカメラでこんなすてきな兄妹愛ショットを撮って遊んでいた!自由すぎる…でもちゃっかり、わたしもお気に入りの1枚。


ちなみにこのコキス…シンハラ語で『කෝ コ―(where)・කිස් キス(kiss)』という意味にもなります。
すなわち『キスして♥』となるわけで、意味がわからなかった初めの一時期に同僚に何度も『කොකිස් コキス』と言わされもてあそばれていたのは、このわたし。
みんなに愛されてる証拠だとポジティブに受け止めてます。


さらにもうひとつ、わたしのお手伝い。

オリジナルレシピ『バナナケーキ』

スリランカには20種類ちかくバナナの種類があるらしく、これはその中でも村ではたくさん実っているとっても甘くて美味しい『සීනි කෙසෙල් シーニケセル(suger banana)』をたっぷり使用。


スリランカのケーキは保存も効くバターケーキが多いんですが、こりゃいつも食ったら病気にもなるわ!とツッコミたくなるほど甘い…だから、村にあふれている美味しいフルーツを使用して、簡単に美味しいケーキができないかと思い立って挑んでみました。

メジャーカップや量りなんてものはないので、全て家にあるスプーンとティーカップで分量をイメージして決めたので、ある意味オリジナル(笑)

オーブンのようなトースターのようなこれで焼いてみました。日本で見たことないけど、日本製。


なんとか出来たー。


そして速攻、恒例になっているアンマーのつまみ食い…飾りのバナナがひとつ姿を消しました。
ほんと可愛いんだから、アンマーってばもう。


◎レシピ◎ 
・小麦粉 3カップ
・ベーキングパウダー 1杯
・砂糖(ブラウンシュガー使用) 1カップ
・バナナ(日本にあるミニバナナサイズ) 6本+飾り用2本
・卵 3個
・植物油 1/2カップ
・(母よりケーキ作り好きな私宛にチョコチップが送られてきていたので今回特別投入)

※1カップ=ティーカップ1杯分、1杯=普通サイズのスプーン1杯分

ケーキにいれるバナナはフォークの背でつぶして、飾り用は0.5cm程度にカットする。
バナナと卵と砂糖をボールに入れて混ぜて、その後に植物油を入れて混ぜる。
よく混ざったら小麦粉とベーキングパウダーを入れて、粉っぽさがなくなるまでよく混ぜる。
生地を型に入れ、カットしたバナナを並べて飾る。
本格的オーブンであれば170℃、今回使用したあれでは熱が逃げやすいので200℃設定で、30分焼く。


焼き立てはしっとり、翌日にはバナナの甘味が増してさらに美味しくなるので、味比べするのがおすすめです。

スリランカのケーキに比べて甘さが控えめだから評価はどうか心配でしたが…ありがたくも好評価。そして人を迎える前に家族で半分以上食べてしまいました。

そんなこんなで、最近は日本にいる時以上に家事手伝いを楽しんでます^^